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〜第9章〜


出発

今日は、この前見た『情報Disk』で見た古代遺跡の仕事を紹介してもらうため
俺は紹介所の窓口に居た・・・
一通りの仲介手続きを済ませ、あとは依頼者と会うだけだ・・・
テ「おう!帰ってきたか!」
宿に着くと、又オーナーに手伝わされているテリが一番最初に出迎えてくれた・・・
彼の一声を聞いた他の2人も俺達の方に走ってきた
フ「2・3日したら出発だからな・・・今回はちょっと遠いぞ・・・」

数日後・・・・
荷物をまとめ、俺達は依頼者の元へ向かった・・・今度は3人全員が俺に掴まった・・・
イルは今回初めて一緒に仕事をするから、実力は未知数だな
フ「いいな?・・・『リフ大学』・・・」
『キー・・・ン』
俺達は4人は、瞬時に目的地である『リフ大学』に到着した・・・
さすがに俺を含め4人を1回で運ぶと・・・疲れる・・・前はライが居たから、分担して移動できたんだが・・・今となってはもう過去の話だ・・・
到着するや否や、建物から凄い勢いで象獣人がこっちに走ってくる・・・
リ「いやー今回依頼を受けて頂いて、有り難うござ居ます〜。私、この大学で研究師をしている、『リフ・エレビア』と申します。『リフ』って言ってください。以後宜しくお願い致しますね」
お互い軽く握手をし、彼に案内されて大学の部屋に案内された・・・教室だろうか?
『ガラガラ・・・・ピシッ』
リ「まぁまぁ、適当に座ってください」
教室らしき大きい部屋に案内され、まるで昔の授業を受けていた頃に戻った様な懐かしい気分がした・・・
教壇に依頼人がやって来て黒板に何か書いている・・・さすが、勉強を教えているだけ有って慣れている・・・
『カツッ・・カッ・カツッ・・』
リ「えっとですね!今回の依頼は、私と一緒に『06エリア』と言う所に同行して頂きたいんです!」
イ「『06エリア』ですか・・・僕は聞いた事無いですけど〜。皆さんは?」
聞いた事の無い地名だ・・・イルの問いかけに、俺は首を横に振った・・・
シルも俺と同じ様に首を横に傾げている・・・
テ「俺も知らんなぁ〜何処だよ!その、なんとかエリアってのは?」
リ「えっとですね〜『06エリア』って言うのは、太古に住んでいた『人間』の遺跡です。今回は〜そこの調査ですね!地図にも載っていない所なんで、分からない所かもしれませんね」
一同「へ〜」と言う感じに納得している様子だ
リ「それでは、出発は明日なんで!皆様宜しくお願い致します。じゃぁ、宿に案内致します」
大学の近くにある安っぽい宿に案内され、俺達は1人1部屋に分けられ就寝した。

翌朝・・・俺達4人は必要最低限の荷物を持ち、再び大学の前に立っていた・・・
テ「・・・遅い!!!」
既に、約束の時間から数十分過ぎている・・・それはテリも起こるわ・・・
リ「すいませ〜ん!!!」
『ドッドツッドッ・・・・』
大きな足音をたてながらリフがやって来た・・・歩く度に地面が揺れるのは気のせいか?
リ「はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・スイマセン荷物が思ったより多くて〜。では!行きますね!コッチです!」

シ「はぁ・・・はぁ・・・ねぇ・・・まだ着かないの?」
遺跡の最寄りの町までパワーを使ってきたものの・・・遺跡まではかなり遠い・・・
いつの間にか、日も落ちかかっている・・・
テ「なぁ、リフさんよ〜・・・今日はもう休まないか?」
テリも既にキているらしい・・・6時間以上歩いていれば、誰でもそうなる・・・
実際、俺も疲れが出始めている・・・
リ「もう少しなんですが・・・そうですねぇ〜・・・じゃぁ今日はここまでにしますかね」
後ろの方で「やった」とかすかに聞こえるのは、気のせいだろうか?

俺達は共同でテントを立て、一息つこうとした時だった・・・
『ガサガサガサ・・・キーー』
俺達が見た事もモンスターが出てきた!!
リフはまだ全然この事に気付かずに、遠くで何か調べ物をしているようだった・・・
シ「なんだコイツ!?まぁ切っちゃえば同じかな」
『ヒュ・・・ガキィン!・・・ピシ』
シ「なんだコイツ!?固すぎて剣にひび入った!!」
フ「あとで直すからちょっと待ってろ・・・劫炎!!」
『フォン・・・ドォーン!!!!』
フ「どうだ?・・・」
『キシャー!!!フーーー』
効かない!?なんでだ?むしろ怒りつつある・・・
その時、後ろの方でイルが何かブツブツ言っているのが聞こえた・・・
イ「光に包まれよ!猛光!!!」
『フィィィン・・・・キーン!!』
モンスターの足下から、青白い光がヤツを包んだ!!!
『ギャーーーーーギ・・・・』

死んだ・・・イルは今まで見た事の無い方法で敵を倒した!!?
イ「ふ〜・・・使ってみて良かった〜」
テ「おい!今のは何だ!?今まで見た事無い呪文だな!」
テリも見た事無いらしい・・・
イ「え・・・っと〜光の属性の呪文だよ!あまり使える人が居ないみたい・・・僕も最近ようやく使える様になったばっかりだし」
テ「ど〜れ?光!!」
彼は試しに発動しようとしたが、なにも起こらなかった・・・
テ「やっぱ難しいみたいだな。ふぅ〜・・・」
俺は何も言わずに、軽くため息をついてるテリの背中に手を回した・・・
テ「ぅお!?サ・・・サンキューな・・・」
フ「気にするな・・・でも今日は交代で見張るか・・・他にもモンスターが出そうだし」
ふとシルが気になり、彼の方を見てみる・・・
フ「シル・・・大丈夫か?」
シ「うん・・・ちょっと軽はずみだっかなって反省してた・・・もう、これは治らないよね?」
さっき、ひびが入った剣を見ながら・・・反省していたみたいだ・・・
フ「『元素組み替え』使えば治るだろ?お前・・・たしか使えたよな?」
シ「あっ・・・」
思い出したかの様に、シルはパワーを使った・・・
彼はひびの入った剣に手を置き・・・精神を集中しはじめた
その途端、傷のついた部分が逆再生されるか様に、復元されていく・・・
シ「ふ〜っ・・・直ったー!すっかり忘れてたよ、このパワー」
テ「フッ・・・自分の事くらい、しっかり覚えておけっつーの!」
軽くシルの頭を小突き、テリは鼻で笑っていた
シ「は〜い・・・」
その時、遠くに居たはずのリフが、こっちにやってきた
リ「何か有ったんですか?ちょっと物音がした気がしたんで。ん?」
近くに倒れているモンスターの屍を見て、事態を察したようだ・・・
リ「いつの間にかこんな事態になってたとは・・・気付きませんでした。調べものを始めると、周りが聞こえないみたいですね。私は」
フ「いえ、気にしないでください・・・これくらいの事は慣れてますから・・・」
依頼人を戦いに出したくない・・・偶然、彼が聞こえていなくて良かったものの・・・
テ「とりあえず、今日は寝るか!明日も早そうだしな!」
リ「そうですね。明日も、よろしくお願いします」

・・・続く・・・