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〜第10章〜
〜遺跡〜
翌朝・・・夜明けとともに俺達は遺跡に向かう準備をした・・・
テ「ふぁ〜・・・久々に野宿したから体中が痛てーな」
そう言いながらテリは肩や体を捻っている
体のあちこちから『コキコキ』と関節のなる音が聞こえてきた・・・
シ「ていうか、テリさん寝相悪すぎ・・・俺・・・
テリさんがぶつかってくるから、あんまり寝れなかったし・・・」
そう、なぜか俺らはテントで『雑魚寝』していたのだ・・・
一方リフはと言うと、外で遅くまで焚き火のそばで調べものをして居たみたいだった・・
だが、当人は眠気など殆ど無く
リ「さて!それでは出発しますか!」
・・・かなり元気だった・・・俺達はまだ前日の疲れが抜けないと言うのに・・・

数十分後・・・
俺達の目の前に大きな看板らしき板が立ちはだかった・・・
そこには今まで見た事の無い文字が書かれていた・・・



イ「なんですかね?コレって・・・」
リ「これは〜・・・『古代言語』ですね・・・」
テ「なんだよ?その・・・コダイゲンゴって」
リ「ちょっと待てください・・・」
『ガサガサ・・・』
リフは自分の背負っていたカバンから、ボロボロの『何か』を取り出した・・・
シ「なに?それは?」
リフは『何か』を開きながら
リ「これは『本』と言って、大昔の『Disk』みたいなモノです」
俺を含む一同は感嘆していた・・・
テ「んで、話戻すけどコダイゲンゴって何だ?」
リ「え〜・・・太古に絶滅した『人間』が使っていた言語です。
これは『英語』と言う分類ですね。この本で、我々の分かる言葉に翻訳します」
フ「それで?何て書いているんだ?」
『パラ・・・パラ・・・』
リ「え〜・・・『警告!!!進入禁止区域!!!』と書かれていますね。
一番下のは全部は分かりませんが、最後に『研究所』と書かれています」
こんな看板を立てて・・・一体何を研究していたのだろうか・・・

一同が静まりかえる・・・
テ「ま・・・まぁ良いじゃねぇか!!!なんか襲って来れば、倒せば良いだけの事だ!!!臨機応変に行こうや!がははは!」
まるで恐怖を打ち消す様に、テリはさっさと先に進んで行った
・・・そうだよな、ここで怖じ気づいても何も始まらないな・・・進むしか無いな

暫く進み、丘らしき所を抜けると・・・かなり自然に還りつつ有る建物が見えた
リ「あ!ようやく着きました。お疲れさまです」
シ「あ〜〜〜やっと着いた!!ねぇ、ちょっと休まない?」
『バキッ!!!』
無言でテリがシルの頭を殴った・・・
シ「〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!わ、解ったよ・・・痛て〜」
・・・状況考えろって

一行は1つの建物に入る事にした
『ガサガサ・・パキッ』
入り口らしき所はツタみたいな植物で塞がっているが
なんとかそれを掻き分けて中に入った・・・・
そこには、棚や机があり
ガラスの付いた壁の奥に有る部屋には、大きな水槽やベッドらしき物が有った・・・
リフは近くにあった棚を調べたりしている・・・
テ「なぁ、この奥の部屋はなんだ?なんか鍵が掛かっている見たいだぞ」
ドアの横には幾つも小さなボタンが並んでいた・・・
シ「ちょっと良い?多分開けられると思うから」
そう言うと、そのボタンに手を覆いかぶせた・・・一瞬手の平が赤く光ったのが見えた
『ビ・・ッ・・ガゴン・・・プシャー・・・』
シ「あ!開いたよ!!」
奥の部屋に入ると、ガラス越しには見えなかったが、丁度人が入れる大きさの檻があった
イ「一体・・・何を研究してたんですかね・・・」

『ジャリ・・・バキッ!!』
イ「うわ!!」
フ「イル?どうした!?」
イ「い・・・いや〜後ずさりしたら、床が抜けて・・・ん?」
所々、崩れやすくなっているみたいだな・・・
イルは抜けた所から、なにか見つけたみたいだ・・・
イ「何だろうこれ?ちょっと誰か手伝って!1人じゃ持てないっぽい」
テ「どれ?手伝うぞ」
熊2人掛かりで床下から『何か』を引っ張りだした・・・
イ&テ「せーの!!!よっっと!!!」
『ズドン』
その『何か』は、頑丈そうな金属の大きい箱だった・・・
リ「何か見つけたんですか?」
今の騒ぎでリフがこっちに来た・・・箱と大きな穴の空いた床を見て、騒ぎの原因が分かったみたいだ
リ「開けられますか?その箱は?」
フ「シル・・・開けられるか?」
鍵らしき場所を見つけ、再び手を覆いかぶせた・・・が
シ「ううん・・・開かないや」
鍵に小さい数字が付いている・・・この番号を合わさないと、鍵が開かない仕組みらしい
しばし、色々な方法で鍵を開けてみようとした・・・
『組み替え』をしようとしても、何も変化が無い
壊そうとしても、硬すぎてビクともしない

テ「お?これは何だ?」
不意にテリは近くの壁にかかっていた金属プレートを持ってきた・・・
錆びてて何が書いてあるのか分からなかったが、シルが『組み替え』をやってみたら
錆が取れ、何が書いてあるのかが分かった
『KeyNo.490904098304』
リフが訳してみると、どこかの鍵の番号の様だ・・・
テ「試しにこの箱の鍵にやってみるか」
『ジ・・ジジ・・・カチャ』
・・・開いた・・・分かりやすい所に置いたもんだ・・・
中には紙類の束とDiskが数枚入っていた
紙の方は訳の分からない螺旋状の図とかが、大量に書かれていた
一方、Diskはと言うと・・・
シ「ねぇリフさん、これ再生してみて良い?」
リ「ええ、どうぞ」

シルが1枚の『Laboratory』と書かれたDiskを再生した瞬間、
空間に古代語のメニューが浮かび上がった
?「Please select the language 」
聞いた事の無い言葉がDiskから流れてきた・・・これが『英語』と言うやつなのだろうか?
メニューには幾つもの選択肢が有る・・・
テ「なにか選べって事だろ?適当に選べば良いだろ?」
そう言ってテリは適当に『Japanese』を選び、再生させた
その瞬間、今まで見た事の無い生物が映り、話し始めた・・・これが『人間』なのか?

?『地球からこの『不毛の惑星』にやってきてどの位の時が経ったのだろう…
もうじき、国境戦争が起こるだろう…
この惑星にまで来て戦争を始めるとは、やっかいだ…
地球からのメッセージも受信しなくなって、既に地球時間で1年以上経っている…』

俺達が分かる言語が聞こえてくる・・・
シルはメニューの別な欄を開けてみる・・・

?『私達と一緒にアノ『ノアの方舟』で連れてきた動物達に『遺伝子操作』を施し、あと数段階で
人間と同じレベルにまで行けるだろう…私達の研究チームは既に片言だが、言語を喋り始めている者も居る・・・』

フ「シル、もう良いだろう・・・止めろ」
シ「うん・・・でも最後にこれだけ!」
シルはメニューの一番下にあった項目を再生させた・・・

?『{ガイル}と名付けた、この惑星のエイリアンが我々の居住区を襲撃し始めてきた・・・
上層部の奴らは毎日机上で話し合うだけだ・・・
それと同時に、市民には今まで見た事も聞いた事も無い病気が、蔓延し始めている・・・
既に多くの死者も出ている、我々研究者も急ピッチで病原体の研究を進めているが、一向に進まない・・・
このままじゃぁ』

フ「もう十分だろ・・・もう止めろ!」
シ「う・・・うん・・・」
一同に何とも言えない空気が漂う・・・

テ「なぁ・・・他のDiskはどうなんだ?試しに少し再生してみろよ」
最初に『Music』と書かれているDiskを再生してみるが、ただの音楽だった
大半が、音楽や人間が妙な格好をして喋っている物ばっかりだった
最後に『Seaclet Love』と書かれたDiskを再生してみた・・・
そこには・・・
『あ〜いいぜ〜!!テメーのケ○マン○最高だぜ〜!この○乱野○が!(一部自粛)』
人間のオス同士でサカリ合っている姿があった・・・・・・・

全員あっけにとられて沈黙してしまった
イ「い・・・今のは見なかった事で・・・」
リ「そ・・・そうですね・・・」

『ビュー・・・・・・パラ・・・・』
外から風が吹き込み、机に置いておいた紙の束から1枚の紙切れが落ちた・・・
イ「何か落ちたみたい・・・」
イルが拾いに行き、その紙を見た途端、顔色が変わった・・・
フ「イル?どうした?」
俺が近づいた途端、イルはその紙を隠した
イ「う・・・ううん・・・何でも無いです」
不審に思い、俺はイルの持っていた紙を奪い取り内容を見てみる・・・
後ろからリフも紙の内容を覗き込んだ
リ「どうしました?・・・・こ・・これは一体・・・」
そこには、俺達獣人と何一つ変わらぬ姿が描かれていた・・・

リ「とりあえず、その紙もこちらで預かりますので、
とりあえず今回の調査は終わりにしましょう」

俺達は妙な『痼り』を残したまま、再び大学までやってきた
もちろん、帰りはシルと俺で運ぶ人数を分けて・・・

リ「今回はお疲れさまでした!報酬の方は後日ということで宜しくお願いします」
俺達はリフと別れ、近くの宿泊所に泊まる事にした・・・
濃すぎる依頼で全員、クタクタだった

とりあえず1人1部屋に分けて眠りに就こうとしていた・・・
『コンコン・・・』
誰かが俺の部屋のドアを叩く・・・
『ガチャ』ドアを開けるとそこには、シルが立っていた・・・
シ「ちょっと、入って良い?」
フ「ああ、いいぞ・・・」
シルを部屋の中に入れ、ドアを閉めた
フ「どうした?」
シ「ねぇ、さっき見たDiskみたいな事しない?」
『さっきのDisk』・・・『サカリ合い』のDiskの事か?
だが、今の俺にはそんな体力は無い・・・
もちろんシルにも無いはずだ・・・俺よりパワーを使ったのだし・・・
フ「今日は休もう・・・お互い疲れているだろ?」
シ「・・・・・うん・・・分かった・・・それじゃ、おやすみ」
『ガチャ・・・バタン』
シルが部屋から出て行き、俺は眠りについた

夜中・・・俺はフと目が覚めた・・・
トイレに向かう為部屋を出た・・・
丁度テリの泊まっている部屋の前を通った時だ
部屋の中から話し声が聞こえてくる・・・彼は誰と話しているんだ?
ドアは少し開いている・・・
興味半分で、こっそり覗いてみる・・・
そこには、裸のテリとイルが居た!
テ「本当に良いのか?」
イ「うん」
『チュ・・・・』
どういう事だ?なんで2人がキスしているんだ????
俺は訳が分からないまま、暫くドアから動けずにいた・・・

・・・続く・・・