〜第10話〜


〜LAST NIGHT〜

9:36 PM

ク「とうとうコウと一緒に居れるの…少しになっちゃったね…」
コ「…だな…」

リュウが帰ってしばらくして俺たちは部屋で静かに過ごしていた…

2人…背中合わせで…服越しだがお互いの温もりを感じながら…

コ「なぁ、クレ…」
ク「ん?何?」
コ「お前一体どうやって帰るんだ?前のは偶然だったんだろ?」
ク「う〜ん…僕にもよく解らないけど、向こうでも移動を助けてくれる人が居るらしいんだ…難しい事だったからあんまり頭に入ってないけど…ははは」
コ「そっか…」
クレの目一杯の笑い声も俺には届かない…
心の中では「本当は俺も一緒に行きたい」…そう思うのは身勝手かな?

クレの事…凄く好きだけど…俺にはその『1歩』が踏み出せないんだ…

ク「ねぇ…コウ…」…
俺が返事をする前にクレは俺の手に大きな手を重ねてきた…

彼の目を見てみると少し涙ぐんでいた…
ク「本当に……今までありがとう…」

俺はおもむろに彼の顔に近づき…キスをする…それは今までの『好奇心』とは違う…体で示せる目一杯の『ありがとう』そして『さようなら』

クレの着ていた服を脱がせ…自分の服も脱いだ…
彼の存在を確かめる様に体を触る…力強い胸の鼓動が伝わってくる…

うん…確かに今此処にクレは居る…

俺が何も言わずこんな事しているのに彼は拒絶しない…

コ「ん……なぁ…いいか?」
クレはなにも言わず『うん』と頷いた…

キスをしながら俺はクレの下半身に手を伸ばす…
そこには大きく成長しつつあるクレの『自身』があった…

口をクレから放し徐々に…彼の下半身に顔を下げていく…
そしてクレの『自身』が目の前にドンと現れた…

最初の頃はその大きさに躊躇いもあったが、今ではもう…

ク「っ……ぅう〜」
成長途中なクレの『自身』を一気に口に含んだ途端、少しだけクレの腰が引けた…だが俺はそんな事を気にしないで続けた…

『自身』は次第に大きくなっていった…もう「これが限界」と言う位大きくなった…

ク「コ…コウ…もう…限界だよ〜」

俺は何も言わずクレを寝そべらせて彼にまたがる…

そして…

”ズブっ…”

相変わらず痛い…幾ら慣れたとはいえ…やっぱり最初は痛い!
でも、もう声にも顔にも出さない

最後になるかもしれないんだ…もう会えないかもしれないんだ

そう考えると
クレが気持ちよくなればこの位なんて事ない…
とも思えてきた

ふと時計を見てみる…

10:43 PM

俺はクレの上で少しずつ腰を動かしていく…

ク「う…ぁふぅ…っ…あ…イイよ〜…コウ〜」

次第にお互いの気持ちがシンクロしていく様な気分になってきた

クレも気持ちイイのが解る…俺の気持ちも彼に伝わってるのかな?

2人の心が初めて1つになった感じがする…

ク「あっ…もうイく…うぁっ…くぅっ」

クレの『自身』から放たれたモノが俺の中で溢れた…

11:28 PM

俺たちは裸のまま…寄り添い寝そべっていた…

コ「今までホント…色々あったね…」
ク「うん…そうだね」

俺の頭の中にクレが初めて風呂場に倒れていた時の事を思い出していた…

あれが本当全ての始まりだったんだなぁ…

クレが水と間違えて酒を飲んで…俺に襲いかかったり…
一緒に風呂も入った…そして…

色んな思い出が溢れてきた…
これから…クレが居なくなると、そういう事が無くなる…そんな事を考えると…自然と涙が出てきた…

コ「うぅ………」
その時…クレが俺の頭を撫でてきた…

ク「大丈夫、悲しくなるのは僕も同じだよ…でも、お互いにそれを乗り越えなきゃいけないのかも」

11:57 PM

ク「僕も寂しいけど…もうそろそろ時間だよ…」

コ「お願い!行かないでくれ…お願いだから…」
俺はクレの胸に泣きついた…

クレの腕が俺の体をギュっと抱き寄せる…
ク「今まで…本当にありがと…色々あったけど、僕は凄く楽しかったし嬉しかったよ」

彼の体が次第に青白い光りに包まれる…

12:00 AM

12時きっかり…彼の体が消えてゆく…
最後に見せたクレの顔…笑ってた…俺は泣いているのに…

そして……光が消える…俺の横にクレは居ない…

コ「お…おい…クレ?…本当に消えちゃったのかよ?…なぁ…おい!」

幾らクレの名前を呼んでも返事は無く…部屋には俺以外の気配は無い…

コ「う……うわぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあ〜〜〜……」

今まで出した事の無い位の大声で涙した…

俺は…もう…クレには会えない…

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