〜第6話〜
〜Contact〜

あの日から数日、俺はあまり眠れない日が続いた
もちろん力の原因や、解決策も見つからず…少しイラついてる
この前クレにも、つまらない事でキレちゃったし…普段はそんな事ないのに…

なんか、心の奥でクレを拒絶してしてしまっている気がする…
「言い過ぎたね。ゴメン」のたった一言が出ない…
でも、彼はいつも通りの態度を取っている…

そんな自己嫌悪な日々が続いてるある日…夜…

コ「そろそろ俺、寝るサ…」
ク「え?もう?まだ早くない?」
コ「別にいいじゃん!疲れてるんだって!」
ク「………………おやすみ」
またやっちゃった…もうイヤ…

”がさがさ…カチッ”

…………眠れない
嫌な事ばかり頭を過ってしまう…

なんでこういう事に、なちゃったんだろう?
あの時、クレの力を借りなければ…こういう事にはならなかったんじゃないか?

考えれば、考える程…嫌な方向に進んでいってしまう…

消えろ〜!そんなの考えたく無い!頭の中から出て行け…

……どの位時間が経ったんだろう…やがて、俺は夢の中へ入っていく…

いままで見た事の無い部屋…どこなんだろう…
部屋に有るのは、目の前にある机とデカイ背もたれの椅子
窓もある…外は見た事の無い景色が広がっている…広い荒野みたいなのが広がっている

ク「あれー?なんでコウが居るの?」

ふと、どっかで聞いた事のある声がした…振り向いてみると…クレ!?
なんで、俺の夢の中に出てくるんだ?

コ「なんでこんな所にいるんだよ?」

ク「さぁ〜?気付いたら、ここに居たんだけど?」

『さぁ〜?』じゃないだろ…って聞き返そうとした、

?「まぁ、待ちなさい。」

誰かの声がする…
『キィー』と椅子が軋みながら俺達の方を向く…

?「やぁ、初めまして」
椅子に座っていたのは…狼?みたいな獣人らしき人がいた
声から察するに俺より、おっさんみたい…親父位の年なのかな?

ク「あ…あなたは?一体誰?」

?「あぁ…私の名前は『ヴァロ・フォウル』…君を探している者だ」

ク「え?僕を?でも、なんで探してるの?」
ヴ「君の姿が何日も見えないって事で、『リギ』って言う奴が君の部屋に行ったんだが…
 まぁ、その辺は後で本人に聞いてみなさい」

全く見た事の無い人(狼?)が、クレにだけ話しかけている…俺は無視?

コ「あのさー、なんで俺がこんな所に居る訳?てか、夢なんだろ?」
ヴ「えっと…その前に、君の名前と種族は?」
コ「俺は長木コウ、人間だよ…で、なんでこんな所に?」

ヴ「……まぁ、一応夢の中なんだが…今クレ君の夢の中に入り、君を彼の夢の中に呼び寄せただけだ…」

よく分からないけど、これは俺だけが見てる夢じゃないって事を言いたいのか?
そんな馬鹿な…

ヴ「ところで…君たちの関係は?」

えっ…自分の夢でそんな事聞かれるなんて…
俺はそんな事、今まで意識したこと無かったけど…
クレは、なんて言うだろうな…

ク「ヴァロさん…ちょっとこっちに来てもらっていいですか?」
そう言うと、ヴァロとか言う奴と2人で部屋の隅に行き、何か話している…

会話の内容は、俺には聞こえない…何を話してるんだろう?

数分後…

2人は話しを終え、またこっちの方に戻ってきた

ヴ「とりあえず…今クレ君を見つけ、こうして3人で夢の中ではあるが、話しが出来たんですが…」
ふと彼が自分の腕時計を見る…
ヴ「まぁ、それは追々話していきましょう………」

気が付くと、俺はいつもの部屋に居た…何だったんだろう…あの夢…凄いリアルだったな

ク「う…ん……」
どうやら、クレも起きたみたい…

コ「なぁ、クレ…変な夢見たんだけど」
ク「ヴァロって言う人が出てた夢でしょ?」

いつもの夢じゃないのか!?じゃぁ、あの狼の言う事は本当だったのか?

コ「……嘘でしょ?」
ク「嘘じゃないよ!名前忘れちゃったけど、そういう力があるんだよ?使える人は少ないけどね」
イマイチ信じられないけど、俺が見た事無い能力とかあるんだろうな…

コ「じゃぁ、本当だとして…これからどーするの?」
ク「それは、これからまた夢の中で話すんじゃないかな」

そう言えば…さっき俺抜きで話してた事って何だろう?
コ「ねぇ…クレ…」
ク「え?なに?」
コ「う…いや〜…やっぱなんでもない」
野暮な事聞くのは止めとこ…
ク「変なの…」

コ「そろそろ、仕事行ってくるさ!」
ク「うん!いってらっしゃい!」

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