〜第2話〜
〜Visitor〜

俺がクレと出会った翌日……時刻はAM8:30過ぎた頃…
昨日は興奮と緊張で、あまり(全然?)眠れなかった…
しかもよりによって、今日はバイトの出番だった気がする…
でも、このままクレを家に置いて行っても、なんか不安だしな〜
あまりやりたくはないけど……(仮病使って)休むか…
”プップップッ………プルルル…プルルル…プルルル…プルッ”
電話『お電話有り難うございます。マク○ナ○ド××店芝野です。』
ゲッ!よりによって一番苦手な店長だ……最悪〜…でも仕方ないよな
コ「…もしもし…店長…長木ですぅ…」
店「おう!長木か!どうした〜?」
コ「…あの〜昨日から風邪引いちゃって…今日お店に出れそうにないですぅ…」
風邪…ありがちな仮病の理由だな(苦笑)
店「何?風邪かい!?大丈夫か?でも、今日はお前はシフトに入ってないぞ?」
コ「は?本当…ですか?よかった〜…」
店「じゃぁ、今日しっかり休みな!んじゃお大事にぃ〜♪」
”ガチッ…プ〜ップ〜ップ〜ッ……”
コ「…ふぅ〜ホントよかった〜」
電話を終えて一安心したし!クレは寝てるし!一服煙草でも吸おうかな…
”カチッ☆ジジジジ”
ク「何してるの?」
てっきり寝てたと思ってたクレが下のフロアーから顔を覗かす…
コ「うぉ!!クレ!?ゴホッゴホッ」
いきなり(ほぼ裸の)クレが声をかけたから驚き過ぎて、吸いかけた煙が変な所に入ったみたい…
ク「上の方で声が聞こえたから話しかけて見たけど… 大丈夫?」
暫くしたら咳もようやく治まった…
コ「まあ、なんどが…だいぢょうぶ……」
声の調子はイマイチだけど(苦笑)

”ピ〜ンポ〜ン”
こんな朝早くに誰だろう?なんて思いながら俺は玄関に向かった…
?「ごめんください!クロ○ヤ○トです」
覗き穴から『アノ』制服のひとが玄関の前に立っていた…
多分昨日ネットで注文したクレの服だと思う
?「じゃあ、ここにサインをお願いします………有り難うございます」
なんか素っ気ない態度の奴だったな〜なんて思いながら、荷包みを解く…
黒いジャージだけど…やっぱ、『8L』というだけの大きさはあるな〜
俺が2人入りそうなカンジ…(笑)
コ「クレ!コレ着てみて!」
クレにジャージを渡す…
ク「うん!」
”バサッ……”
とりあえず今回は破れなかったし、サイズもピッタリだったので、一安心…
コ「………どう?キツくない?」
ク「うん!丁度良いよ!ただ……」
なんか彼にとって、不都合があったのかな…?
ク「色がちょっと……。変えても良い?」
ちょっと俺には言葉の意味が分からなかったけど、とりあえず彼に任せる事にした…
コ「あ?あ…ああ」
クレは服の上に指を乗せた…その途端!黒色だったはずの服が、だんだん放射線状に色が白色に変わっていく…
ク「ふぅ…OK!ごめんね〜色、変えちゃって」
コ「へ!?あ…あ、いいよ!気にしないで…」
俺はクレの『力』に驚きながらも
服に浮かび上がる、がっしりとした彼の体のラインに見とれてしまっていた…
”ヴ〜ヴ〜ヴ〜”
ボーッとしていた中、携帯が震えた…
コ「ん?メールかな?」
なんて独り言を言いながら、携帯の背面画面を見てみる…
”アラーム 11:30”
…な〜んだ…目覚ましか…期待させやがって(何をだよ!)
ク「ね〜…コウ〜」
コ「ん?何?」
『力』を使い一息ついてたクレが話しかけてきた。
ク「お腹すいちゃった!」
そっか、もうお昼か。そういえば俺も腹減ったな〜
コ「じゃあ〜お昼にしようか!」
ク「うん!」
俺はキッチンに向かった…
コ「そういえばさ〜、クレって料理できるの?」
フッと思った事をクレに聞いてみた。
料理が出来れば、もし俺がバイトで夜遅くなる時にも大丈夫だし…
ク「え?料理?う〜ん…食べるのは好きだけど…作るのは〜出来ない!!」
『はっきり言うな!』ってツッミたかったけれど…まぁそこは心の内に秘めておこうっと
数分後…凄く簡単な『朝食兼昼飯』が出来上がった!
まぁ…それもクレの手(口?)にかかれば、ホンの一瞬で彼の胃の中に入って行ってしまう…凄っ!!
食後…後片付けも終わり、俺たちはテレビを見た。今度は昼のバラエティー番組(アレね)を見ていた…
ク「ね〜…これってなぁに?」
テレビを見ながらクレはいろんな質問をしてくる…司会者の着けてるサングラス…観客のアノ一体感(?)などなど…
コ「あぁ…これは〜…」
俺はちゃんとクレの質問に答えている時

”ピ〜ンポ〜ン”
また来客かよ!覗き穴から向こう側を見てみた…
そこには!俺の友達である、『常島リュウ』が立っていた!!!ヤバい!!
コ「クレ!!ロフトに隠れて!!!」
ク「え?なんで?」
コ「いいから!!!早く!!」
この現状を『奴』が見たら、どんな事態になるか分からないと重い、とっさにクレを『隠した』…彼が隠れたのを確認して玄関を開ける…
”ガチャ…キィ〜”
リ「………ちょっとぉ〜…ドア開けるの遅いんですけど〜(怒)」
だいぶ怒っているみたい(汗)
コ「わりぃな…ちょっと…ね」
リ「?」
俺は適当(あやふや?)に…ごまかした。
コ「こっち来る前に、メールか電話してくれよ〜」
リ「え?メールしたけど?」
ん?携帯を見てみる…
”メールあり”
”昼過ぎにコウの家に行くから☆”
リ「まさか、メール見てなかったとかじゃないよね〜」
ギクッ!…その『まさか』です…まさか『マナーモード』になってるとは…
コ「ごめん…」
リ「まぁいいや!上がるよ」
予想はしてたけど、本当に部屋に上がるなんて…
ロフトのクレが見つからないように祈るのみ…
コ「そ…そういえば学校は?」
リ「え?学校なら、午前中で終わったよ」
コ「バイトとかは?」
リ「家庭教師は夕方まで無いし〜、もう一つの方は休みだよ」
コ「ふ〜ん…ねぇ外で話さない?」
俺は『クレとリュウが遭わないようにしないと』と思い、話を切り出してみた…
リ「え!?突然、なんで?別に、ここで良いじゃん!?」
…『作戦その1、その2』失敗…どうしよう…
コ「え…いや…確かにそうなんだけどさ(汗)」
リ「今日のコウって…ヘン」
そりゃぁそうだろ…だってこの部屋の中には『この世界に居てはいけない人』が居るんだから…気が気じゃないって
ク「ね〜ウ…いつまで、こうしてなきゃいけないのぉ〜?」
その瞬間、俺は凍りついた…ロフトに隠れてたクレが話しかけてきたんだ!
リ「え!誰か来てるの?」
コ「う…ん…まぁね。友達が…ね」
その時、『もしかしたら、気を利かせて今日は帰ってくれるかも』っという考えが一瞬俺の頭を過った…
そうすれば、後からいくらでも誤魔化せる…まだ彼は、クレの姿を見てないんだから…
リ「だったら、最初から言いなって!悪かったね〜…で?どんな人?」
多分、彼の『どんな人?』って言うのは、『○○体型』の事だろうな…
コ「どんな人って…う〜ん『熊』か…なぁ〜?」
『熊体型(人間)』っていうか、本物の『熊(獣人)』だけど…(苦笑)
リ「ふ〜ん…コウにしては珍しいねぇ〜。ねぇ、ちょっと会わせてよ」
コ「いや〜ちょっと今は…無理かな…」
リ「おれは、別に『その人』がどんな状態でも構わないからサ〜」
もう考えが思い浮かばない…完璧に参った…全部白状するしか無いな…
コ「わ、分かったよ!ただし!どんな事があっても、『ひく』なよ!!」
リ「大丈夫だって!!」
仕方なく、俺はクレを下のフロアに呼んだ…
コ「降りてきて良いよ〜」
ク「は〜い」
そういうとクレはゆっくりと降りてきた。その光景を見ていたリュウは…
リ「…………………」
”ドサッ”
無言のまま床に倒れ込んだ…だから止めておけば良かったのにぃ〜
ク「…コウの時もそうだったけど…なんで、僕を見ると気絶するの?」
いや…部屋に熊が居たら、驚くを通り越して気絶するだろ。ま、叫びながら外に出られても

”1時間後…”
あの後リュウはとりあえず目が覚めるまで、クレの布団で休ませた。
一方、俺達はゆっくりと………お菓子とか食べて(妙に)和んでた(笑)
リ「うおっ!!!」
何かにビックリしたようにリュウは飛び起きた!
コ「おお、大丈夫かい?」
リ「あぁ…さっき…ほ、本物の『熊』が居たように見えたんだけ…ど…」
やっぱり、リュウも俺の時と同じだったか…
ク「…ども」
クレは場の空気を読まず、普通にリュウに挨拶していた(笑)
リ「コレか〜…っていうかコウ、いつの間にこんな大きな『着ぐるみ』買ったの〜?リアル過ぎなんですけど…」
そういいながら、リュウはクレの体をベタベタ触ってる…ゴ○ラの着ぐるみと一緒に思ってるのか?
ク「あのぉ〜…痛いんですけど…しかも僕、『本物』なんですって!」
小さい耳をピクピク動かしながら、クレは嫌がっている…
リ「………コ…コウ…」
コ「え?何?」
リ「ほ…本物なの?」
どうやら彼にもようやく、本物って分かったらしい…俺はリュウの問いかけに対して頷く
リ「…ホント?」
コ「うん、本当!…もしかして〜刺激強すぎた?」
リ「うん………ちょっとおれ、家帰って頭の中整理するワ」
こうして、とりあえずリュウを玄関まで見送った…ちゃんと『口外しない』と念を押してから…たぶん、この後に在る『家庭教師のバイト』は休むだろうけど(多分)
次に会ったら、ちゃんと状況説明しようっと…

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