第1話〜
〜突然の同居人〜

2005年01月17日
外は珍しく大雪だった・・・寒い訳だ〜でも俺『長木コウ』は自分の部屋で
音楽を聴きながら、俺が管理しているサイト『Next stepper』の更新をしていた。
”カチッカリカリ・・・・”
”『novel.no6.html』転送が終了しました。”
パソコンの画面に作業終了の報告が出た・・・
コ「よしっと、やっとアップした〜」
ようやく小説をサイトにアップして、一段落・・・か
PC「It's 9o'clock」
パソコンの時報が今の時刻を告げた・・・
コ「あ!もう9時か〜。そろそろ風呂入んないと・・・」
”ドサッ”
ん?今風呂場で物音がしたな・・・またなんか物が落ちたか?まさか泥棒か?
まさかな・・・でも一応確認しとこっと、あと何も無かったら風呂の入ろう。
”ガラッ”
コ「ん?なんだこれ?」
風呂場のドアを開けた俺の目の前には、茶色い毛の生えたすごく大きな物体がある・・・
生き物っぽいけど・・・野生の熊?でもここは山から遠いし・・・
しかも、そんなニュースは放送されてないし・・・とりあえず、突っついてみよう
『つんつん』
玄関に有った金属バット(対泥棒用)でソレを突っついてみたら”ムクッ”とその熊が立ち上がった・・・
やっぱりテレビで見た通りデカイ!!!
ク「うぅ・・・痛っ・・また失敗しちゃったよ」
その熊は普通に喋ってる!!!これは何時も見てる『妄想』なんかじゃない!?夢を見てんのか?
ク「んっ!?ここは何処?なんだ?この生き物」
そう言いながら、俺の頭をポンポンと叩いてくる・・・夢じゃない!これは現実!?
コ「うわ〜っっっっ!!!!!(叫)」
”バタ”

次に気がついたらベッドの上に居た・・・リアルな夢だったな・・・
ク「あ!気が付いたみたいだね!」
しかも普通に俺の本(まぁ雑誌なんだけど・・・)を座って読んでる!!!?
・・・うそ・・・本当みたい・・・
コ「あっ・・あ・・・」
『開いた口が塞がらない』ってことわざ(なの?)はこういう事みたい。
ク「いきなり倒れるからさ〜びっくりしちゃったよ」
とりあえず襲うとか、そういう事は無いみたいで安心した・・・
コ「・・・あんた・・・誰?っていうか何者?」
少し怖かったけど、聞いてみた
ク「ん?僕の名前は『クレ』、熊獣人だよ。」
彼の『獣人』っていう言葉に反応した!けど、その『クレ』とかいう奴は話を続けてる
ク「・・それで、学校の課題の『瞬間移動』を練習してたんだけど、なんか又失敗したみたいだけど・・・今は何時で、ここは一体どこ?」
『また』ってことは・・・いままでも失敗したことがあるらしいね
コ「いやっ”どこ”って言われても・・・今は2005年1月17日で、ここは『地球』の『日本』で、
もっと正確に言うとここは『××県××市本町2-5-1 コーポ○○102号室』だけど?」
俺は普通に(ちょっと余計な事も)答えたけど、彼は驚いて
ク「は?地球!?2005年1月17日!!?冗談だろ?」
コ「いや本当だよ、ホラ!」
証拠にテレビのニュースをつけてみせる
”パチッ”
TV『今晩は2005年1月17日月曜、時刻は9:54分になりました。
○紫○也です。まず最初のニュースです・・・』
ク「なに?この箱は?しかも中に小さな『君』みたいな人達が喋ってる・・・!?」
『箱』って・・・しかも大昔の人の反応みたいな・・・漫画じゃないんだからさ・・・
コ「いやテレビなんて普通でしょ。コレ一応生放送だし、本当だよ」
ちょっとクレには分かっていない様子だったけど、日付は信じたみたい
ク「そっか〜、自分でも信じらんないけど、変な風に力を使ったみたいだな〜」
『力』ってなんだか分からないけど、その前に服着せようかな・・・
風呂場で倒れている時、下着らしき物は穿いてたし・・・
俺はタンスから一番大きいサイズの服を探してみる・・・だけど、こんな大きいサイズあったかな?
コ「『3L』・・・入るかな?・・・。コレ着る?」
タンスの中にあった、昔メル友(男)が家に遊びに来た時に忘れてった長袖の服を渡してみた
ク「うん。ありがとう、入るかな?」
”ガサガサ・・・・ビッビリリッッ”
アノ巨体だから入らない事はある程度予想はしてたけど、こんなに凄い破れ方するとは・・・
あまり使ってない服が、ホンの数分でただのボロきれになちゃった・・・
コ「あ〜あ・・・破れちゃったね(笑)明日大きな服を買ってくるよ」
最初の恐怖心は何処に行ったんだろう?いつの間にか俺は笑ってた。
ク「ごめんなさい・・・」
コ「なんも気にしなくていいよ、それ忘れ物だし。そうだ!」
俺はPCに向かい、インターネットで服を探してるてはみたけど、あの『ボ○・サッ○』みたいな体格だから・・・大体『8L』位かな!?(勘だけど)
でも8Lサイズとかなかなか見つからないもんだな・・・
でもようやく、大きいサイズを通販している服屋をみつけて注文した。
クレは俺の行動を不思議そうに見ている・・・
”グー・・・” 静まり返った部屋にマヌケな音だけが響き渡る・・・
ク「あはは、お腹鳴ちゃった」
クレのお腹の虫が鳴ったみたい・・・空腹なのかな?
コ「夕飯の残りがあるけど、食べる?」
クレは恥ずかしそうにうなずく・・・
俺は冷蔵庫にあった保存用の『とり飯』と鍋にあった『野菜スープ』(もちろん、自分で料理したもの)を温めなおし彼の前に出してみたけど
クレは今まで見た事も無い不思議そうな物を見るカンジで、料理を見たり匂いを嗅いで、恐る恐る口に運んだ
ク「・・・おいしい!!」
コ「そう言ってもらえると嬉しいよ」

数十分後・・・・・・
ク「ふぅ〜食った食った」
クレの食事が終わり(俺の数日分の食料も消え)さっき気になった事を聞こうかな
コ「そういえば、さっき言ってた『力』とか『瞬間移動』って何?」
ク「ん?『力』使ったこと無いの?」
『使う』の前にそれ自体見た 事も聞いた事も無いし・・・
ク「例えば・・・そうだなぁ・・・」
そういうと、近くにあったCDをテーブルに置き手をかざし、精神を集中させた途端
CDの記録面からきれいな光が出てそのCDに入っている曲が鳴り始めた!!!
”I didn't hear you leave I wonder how am・・・”
コ「うぅあ・・・凄い」
こんな事、海外のSFドラマ(ロズ○ェル)だけの事だと思ってたけど
実際に目の前で見たら腰が抜けちゃった
ク「他にも出来るけど、たまに失敗するんだ」
結構不器用みたいだな・・・
コ「ところで、これからどうするの?すぐ故郷に帰れるものなの?」
ク「う〜ん・・・分からないけど、外で生活しながら練習はしてみるよ」
外?季節は冬だし、そんな事したらすぐに警察騒ぎになる!
コ「外はまずいよ!そんな事したらもの凄い騒ぎになるから!」
ク「え?そうなの?じゃあどうしたら良いんだろう」
2人の間に少し沈黙した・・・少し考えたけど・・・しょうがないか
コ「もし君が良かったら家に住みなよ」
こうして逢ったのも何かの縁だし、何よりも『獣人』と住むのが夢だったから、こんな事コレが最初で最後のチャンスかも知れない・・・
ク「え!いいの?嬉しー」
コ「うん、いいよ。俺はロフトで寝るし」
ロフトは荷物がいっぱい有るけど、片付ければ大丈夫だし
ク「そういえば、『君』の名前聞いてなかったけど・・・」
あ!クレの名前は聞いたけど俺の名前を言ってなかった!
コ「あ!俺の名前は『長木コウ』コウでいいよ」
いつも周りから言われてる名前だ(ニックネームなんて今までつけてもらった事無いし)
ク「じゃあコウさん、これからしばらくお世話になります!」
コ「気楽に話していいよ!こっちこそよろしくね」
ク「うん!!」
こうして、今までの平凡な『日常』から、普通じゃ考えられない『非日常』な生活が始まった。

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